今週のジャンプの「アクタージュ」にでてきたセリフ、繊細な機微を捉える言葉として素晴らしかったのでメモしておく。
この感情に「嫉妬」だなんて簡単な名前をつけたくない
だから今はただこの感情を覚えておこう
きっといつか
私をより美しくしてくれる
そのための感情のはずだから
ライバルが主人公の舞台を見て語るモノローグである。この漫画、やはり現代の作品なだけに、「ガラスの仮面」ほどの強烈な「ベタ感」や「アクの強さ」がなくて物足りないところもある。が、ところどころのセリフなどに凄まじいセンスを感じるときがある。
人間の感情とは複雑なもので、まるで真逆の感情を同時に抱くこともあるし、片手を超えるほどの違った感情を同時に抱くことすらある。そんなことがこの年になってようやく分かってきた。そんな感情に、大雑把な名前を付けてしまうことは、自分の内面を単純化しすぎ、他の感情を無理に押さえつけてしまい、大きな誤りへと導きすらしかねない。
上記のフレーズは、そんなことを薄々勘付いていたぼくに、「名前を付けずに、ただ覚えておく」と言う選択肢を提示してくれた点で新鮮であった。
きっとそうした感情を完全に消化して乗り越えたとき、人は大雑把にくくって記憶しておくために、名前を付けて呼んだりもするのだろう。「あの時嫉妬してさ」なんてことを、数年後の彼女も言うのかもしれない。
ただ、そんな日が来るまでは、無理に名付けず、もしかすると意味付けもせずに置いておくのがベストなのだろう。
頭でっかちのぼくに、そんなことができるのだろうか。解釈も意味付けもせずに記憶しておく、そんなことのできる器用な脳みそが欲しい。
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