スキップしてメイン コンテンツに移動

結び目

注意:このブログは、読者不在を心掛けつつ、白石俊平個人の私的な文章を面白くなく綴るものです。 
----
以前、「書く」という行為の問題を取り上げた際に、「書くことで思索に『結び目』が生まれる」と書いた。自分自身、結び目という表現は気に入っている。

結び目とは、思索の一旦の収束地点だ。例えば「人を殺してはいけない」という結び目は、社会生活を営む上で数かぎりない要因によって何度となく結び固められ、多くの人にとって、もはや疑う余地もない、結び目を解いてみようという気すら起きない地点となっている。少なくとも、この日本では。

ぼくは幸か不幸かこの人生で、そうした様々な結び目を自分の中で解いてみたいと思うようになった。結果、およそ徹底はできていないものの、以前自分の中にあった多くの根拠なき思い込みを、ある程度は解くことには成功したように思える。

問題はその後だ。結び目を一旦全て解いたとして、しかし、そのままでは生きてはいけない。例えば法を守らない自由を発見したとして、実際に守らなければ、社会生活を営めない。例えば仕事で、そもそも0から考え直すというのは時に有意義だが、打ち合わせのたびにそれをやられたんじゃたまらない。コンセンサスという名の、「みんなで作った結び目」を毎回解きにかかるような奴は疎まれるだろうし、そもそもコンセンサスが形成できまい。結び目は、人が生きる上で必要不可欠なのだ。

とはいえ、苦労して一旦解いた思索の糸束に、また沢山の固い結び目を作り、色んな思い込みを抱え込むのも面白くない。せっかく心が自由になったのに、また自分自身を束縛することになる。

ならば、ゆるく結ぼう。必要だから、結ぶ。必要だから法を守り、疑わない。よほど異論がない限りはコンセンサスを尊重し、疑わない。ただ、必要な時にはいつでも疑えるようにしておく。信じることが結び目を作ること、疑うことが結び目を解くことである。

また、結び目について人にあまり語らぬことだ。人に語れば、人目を気にして、結び目を解きづらくなる。

そして、徹底的に疑うべきは自分だ。意図して作ったはずの結び目に自分が囚われるなど愚の骨頂であるが、容易に想像できるシナリオだ。自分の発する言葉を疑え。自分の書いた文章を疑え。

そうして、ぼくの言葉から「真実」「真理」の匂いを徹底的に消す。ぼくが発する言葉は、常に何らか間違っている。願わくば誰も、ぼくの言葉から真理などを読み取ることのありませんように。真理を語る口より、ユーモアが欲しい。

コメント

このブログの人気の投稿

虚ろな月

月が綺麗だった

空っぽな私を映す鏡のように
虚ろな月が
白く照り輝いていた

手を伸ばせども届かず
見つめれば雲間に隠れ

私の小さなよしなしごとなど
すべて見透かしているかのように
もしくはなにも知らぬかのように

そこにただ
月はあるのみ

ただあるものに意味を宿すのは人
宿した意味に揺さぶられるのも人

ならば意味を宿すに意味はあるか
この詩を綴ることに意味はあるか

虚ろ
虚ろ

虚ろな月が
白く照り輝いていた

空っぽな私を映す鏡のように
月が綺麗だった

「本好きの祭典」東京読書サミット#4を開催します!

今週土曜(7/6)、「東京読書サミット」というイベントを開催します📖

このイベントは今回で4回目。
毎回「本」と「本好きの人々」に囲まれた、幸せな空間を演出しております。
どんなイベントか? 今回で4回目ですので、だんだんイベントの「型」も定まってまいりました。
毎回こんな構成で行っております。

16:00-16:30 受付
16:30-16:35 はじめに
16:35-17:20 トークライブ
17:20-17:50 ビブリオトーナメント(予選)
17:50-18:00 10分間休憩
17:55-18:20 ビブリオトーナメント(決勝)
18:20-18:30 結果発表・写真撮影・終了
18:30-19:30 懇親会

ビブリオトーナメントとは?
ビブリオトーナメントとは、参加者同士をつなぐために考案された東京読書サミットの目玉企画です。

このワークショップでは、まず参加者の皆さまをグループに分けたあと、グループ内で「わたしの大事な一冊」をテーマにプレゼン&ディスカッション。

その後投票を行い、一番「読んでみたい」と思わせる本の紹介をした方は、決勝プレゼンに進むことができます。
(決勝プレゼンと言っても、司会者との対談形式で進めますので、あがり症の方でも安心です)



決勝プレゼン後の投票で一位に選ばれたら、その方と、その方を輩出したグループの皆様にはちょっとした景品を贈呈いたします。
ちょっとしたゲーム要素があるおかげで、会話が盛り上がること、グループのメンバーと仲良くなれることは請け合いです😊
トークライブトークライブは、ゲストが「わたしの大事な一冊」をテーマにして、縦横無尽に語り尽くします。

無知

注意:このブログは、読者不在を心掛けつつ、白石俊平個人の私的な文章を面白くなく綴るものです。
====
今日は、自分が一番物を知らなくて、一番物分りが悪くて、一番ピントがズレてて、そこに居た皆さんが先生で、ずっと緊張してて…最高に楽しかった。ぼくはなんだか、自分の世界を常に広げ続けていたいタイプらしい。願わくば、死ぬまで世界を広げ続けていたいものだ。自分に価値を求めないことで心の安寧を得ている人間としては、自分の慢心を打ち砕き、自分が一番無知であるような場は本当にありがたい。そんな場では、誰もぼくに特段の関心を払わない。なぜなら、その場で一番無価値な人間だからだ。
もちろんそんな場は居心地が悪い。逃げ出したい。不安だ。疲れる。つらい。
しかし、そんな場で素直に自分の無知を認め、自分よりも遥かに年下の人たちに教えを乞うという体験が、最高に刺激的で、生きていると言う実感さえ得られる。逆に言えば、居心地のいい場所でのんびり構えている時は、半ば死んでいるようなものとすら感じられる。願わくば死ぬまでこういう経験をしていきたいものだ。死ぬほど、生きろ。悪くないコピーじゃないか?