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メモ 2015/07/13 価値

注意:このブログは、読者不在を心掛けつつ、白石俊平個人の私的な文章を面白くなく綴るものです。
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また、価値ということについて書く。

ぼくは30を過ぎてからの数年で、何度も何度も価値観の転換を強いられ、しまいには「価値」というものの存在をすら疑うようになった。というか、以前「私的存在論」というメモに記したように、「価値」という概念は人間の心の中にしか存在しない(そしてそれがつまり「存在する」ということでもある)と考えている。

価値とは極めて人間的で、相対的な概念だ。ある人にとって高い価値を持つものが、ある人にとってはなんの価値も持たなかったりする。「マニアにとっては非常に価値が高い」とされるものは、マニアでない人にとってはなんの価値もなかったり、ISが破壊する歴史的建造物は、多くの人々がその価値を高く見積もる中、ISにとってはなんの価値もなかったりする。

価値は人間(の心)が作り出すものである、と考えると、世の中の色んな事象に説明がつく。例えばマーケティングという活動は、「消費者に対し、自社製品の(経済的)価値を訴求していく」行為だと言って差し支えないと思うが、ここで言う「価値を訴求」というのは、具体的にどういうことなのか。価値は人間の心が生み出す存在であり、人によって価値の受け止め方が異なるとしたら。「市場を生み出す」という行為は「価値がある、と感じるよう人の心に働きかける」ということになる。要は教化だとか洗脳だとか、そういう類の行為だ(そして、別にそれを悪いとは思わない)。「市場を開拓する」とは、「価値を感じる人の数を増やす」ということになろう。「競合に勝つ」というのは「他の製品よりも価値があると感じさせる」ことであり、そもそも市場とは、「似たような価値を提供する製品群とその顧客」、市場規模とは「顧客が感じる価値の総和を貨幣価値に換算したもの」、相場とは「価値を貨幣価値に換算する際、顧客が納得する係数」などと言い表せるだろう。

「怪しいツボ」に大金を払った人が特異に見えるのは、その事物の「世間一般で妥当と考えられる経済的価値」とはかけ離れた金額を支払ってしまっている上、本人がそれをおかしいと思っていないように見えるからだ。ただ本人にとっては、それがどんな理由であれ、払った金額に見合う価値を有していると感じられているかもしれないのだ。

ぼくの知っている人物は、「安全こそ何より大事な価値」と考え、未だにクレジットカードを使ったことがない。クレカを使わないことが本当に安全なのか、というのはさておき、彼の中では、クレカの利便性は全く価値を持っていないことになる。

政治というセンシティブな分野の話を引き合いに出すなら、安倍政権は安保法制の価値を国民に訴求する(価値がある、と感じさせる)のに失敗しているように思える。審議が尽くされていないから国民が納得しないのではなく、政府はマーケティングに失敗したのだ。国民に価値を感じさせることに失敗し、「欲しい」と思わせることができないまま、強行採決でゴリ押しするのが明白になった時から、「独占的立場を利用して、いらないものを押し売りしようとする」ように見えてしまっているのだ。

最寄駅に着いたので、尻切れとんぼだが、このメモはここで終了。

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このイベントは今回で4回目。
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どんなイベントか? 今回で4回目ですので、だんだんイベントの「型」も定まってまいりました。
毎回こんな構成で行っております。

16:00-16:30 受付
16:30-16:35 はじめに
16:35-17:20 トークライブ
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ちょっとしたゲーム要素があるおかげで、会話が盛り上がること、グループのメンバーと仲良くなれることは請け合いです😊
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無知

注意:このブログは、読者不在を心掛けつつ、白石俊平個人の私的な文章を面白くなく綴るものです。
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今日は、自分が一番物を知らなくて、一番物分りが悪くて、一番ピントがズレてて、そこに居た皆さんが先生で、ずっと緊張してて…最高に楽しかった。ぼくはなんだか、自分の世界を常に広げ続けていたいタイプらしい。願わくば、死ぬまで世界を広げ続けていたいものだ。自分に価値を求めないことで心の安寧を得ている人間としては、自分の慢心を打ち砕き、自分が一番無知であるような場は本当にありがたい。そんな場では、誰もぼくに特段の関心を払わない。なぜなら、その場で一番無価値な人間だからだ。
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しかし、そんな場で素直に自分の無知を認め、自分よりも遥かに年下の人たちに教えを乞うという体験が、最高に刺激的で、生きていると言う実感さえ得られる。逆に言えば、居心地のいい場所でのんびり構えている時は、半ば死んでいるようなものとすら感じられる。願わくば死ぬまでこういう経験をしていきたいものだ。死ぬほど、生きろ。悪くないコピーじゃないか?

笑み

注意:このブログは、読者不在を心掛けつつ、白石俊平個人の私的な文章を面白くなく綴るものです。
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今この瞬間にしか書けないことを書く(だからこそあとで見ても意味がわからない、たぶん)。ちゃんと笑っている。ちゃんと無意識に笑みを浮かべている。ぼくの意見を否定されたのに。そのことに気付いたとき、ものすごく嬉しかった。ぼくは今、くだらない自尊心が心のどこにも無かった。目的が達成できるなら自分の意見や存在などどうでもいいと思っていた。そして、人が遠慮ない意見をぼくにくれる、この状況を心から楽しんでいた。40年生きて、ようやくここまで来た。第一歩だ。自分のことを健やかに軽んじることができた。ありがたし。